常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第1030回です。
常にインターネットの波涛に揺蕩うこの身には、時として容赦なく意味不明なインターネットミームが襲いかかってきます。
最近よく視界に入ってくるのが「感覚遮断落とし穴」です。
その名の通り落とし穴に落ちた部分(主に下半身)の感覚が消失し、見えないところで何をされているかわからない恐怖が描かれています。
……まぁ大概えっちなことされてるんですが。
しかし!しかしですよ!
この感覚遮断落とし穴、往々にしてダンジョンや山奥でハマっている描写が多いのですが、そんなものがあるということは転じてそれが必要であるということなのです!
落とし穴というのは実にシンプルかつ古典的なトラップです。
なんせ穴を掘るだけですからね。
その一方で自然界で使用している生物は人類を除くとそんなに多くはありません。
パッと思い浮かぶのはウツボカズラなどの自身が落とし穴そのものになる植物で、実際に地面に穴を掘って落とし穴を作る生物となるとそれこそ思い浮かぶのはアリジゴクぐらい……。
これは落とし穴を作ったりそれを活用したりとなると土の質にかなり左右されてしまうせいで、例えばアリジゴクの作るすり鉢状の落とし穴は落とした後に這いあがろうとしても砂がサラサラ崩れて穴の中央に滑ってしまうことで捕獲と捕食を成し遂げます。
つまりサラサラとした土でないと目的を果たすことが困難であり、そもそも落とし穴を作ること自体が難しいのです。
土の質に左右されずに落とし穴をポンポコ作れるのは道具を使用する人類ならではということですね。
本当はもっとたくさん落とし穴を使う生物はいると思うんですが、落とし穴という単語が思いがけない抜けという意味で使われることが多すぎて調べてもうまいこと検索できなかったんですけどね。
さて、感覚遮断落とし穴に話を戻しましょう。
落とし穴の目的とはその多くが捕獲とその末の捕食にあります。
人類にしてもシカやイノシシといった大型哺乳類を落とし穴に落として捕獲し、食べていました。
落とし穴というものは落とすことそれそのものによる落下ダメージよりも、落とした穴から抜け出せなくすることの方が大事です。
そのために基本的に捕獲対象より大きな穴を作り、対象が容易には這い上がることができなくするのが普通です。
ですが感覚遮断落とし穴の多くは下半身がハマっていることがほとんどで、深くハマっているものでもせいぜい胸までです。
深さについてはまちまちで、そもそも描写されてないものも多いのですが、足がつかないくらいには深いものがほとんど。
ここから計算される感覚遮断落とし穴の平均的な大きさは胸でつっかえることから穴の直径は大体肩幅より少し小さいくらいで、深さについては胸までハマってなお足がつかないことから最低でも人体と同じくらいの深さがあると仮定できます。
肩幅の平均値が40〜45センチで、感覚遮断落とし穴にハマっているのが大体女性キャラであることを考えると女性の肩幅平均値である41センチより少し小さい30センチ後半くらいが穴の直径で、深さについてはおそらく2メートル以上というところでしょうか。
……上半身が出ていることがほとんどなあたりから大体察していましたが、改めてサイズを考えてみてから思うに、感覚遮断落とし穴ってどう考えても対人間用じゃないっぽいんですよね。
感覚遮断落とし穴の最たる特徴であるハマった部分が即座に感覚遮断される謎の溶液についても、下半身が動かないまたは動いても感覚がないから動いてるかどうかわからないというのは恐怖にして脅威ではあるのですが、上半身の自由が効く以上ただのデカい落とし穴に落とされるのに比べたら脱出は容易。
人間を捕食するのが目的であればもっと穴の直径は大きくしたいところ。
おそらくメインのターゲットはウサギ等の小型動物なんでしょうね。
感覚遮断謎溶液で満たされているのも地味にヒントで、土中にこうした溶液を満たした穴を作るのは簡単ではないことを考えると感覚遮断落とし穴そのものが上述のウツボカズラのような巨大な植物の捕食機関だと考えられます。
そう考えるとダンジョンや森の奥には滅多にやってこない人間を狙うよりも、小型のモンスターや動物を狙った方が理に適っています。
触手がうねうねとえっちな展開になるのも単純に捕食するために体内にアクセスしやすい場所から攻めるのはある種当然。
アマゾンとか一部の河川では実際に股間部等守らないと穴に入り込もうとする生物がいるらしいですしね。
感覚遮断謎溶液についても小型生物を穴に落とした際に逃げられなくするためのもの。
それも爪や牙で捕食機関を傷つけられなくするために進化に進化を重ねた結果、劇薬レベルに達してしまったのでしょう。
ウツボカズラみたいな植物がどうかは知りませんが、ハエトリソウなどの一部の食虫植物は実は栄養は土中から根っこで吸い上げているのがほとんどで、食虫行為に及ぶのは稀なんだとか。
むしろ食虫行為自体がかなりエネルギーを消費するようで、指でつついて閉じたりさせてたらあっという間に枯れるんだとか。
そうでなくとも大事な捕食機関を傷つけられたらたまりません。
そんなところにガチャガチャ鎧を着込んだ騎士がズボッと落ちてきたら一大事。
そりゃ本来の対象でない人間もなんとか食べようと触手をうねうねするでしょうよ。
うーん……まさかの感覚遮断落とし穴くん被害者説。
ダンジョンや森の奥に立ち入るなら、そうした生物のことをよく知ってからじゃないと自覚なく加害者になるかもしれませんね。
……何の話?
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