常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第1013回です。
漫画をごそっと買いました。
ほとんどは続刊が出ていたのをほったらかしにしていた漫画なのですが、新規タイトルもいくつか買ったのでオススメがてら書いていこうと思います。
・赤羽骨子のボディガード
奴らの狙いはただひとつ、赤羽骨子を殺すこと。
俺の役目はただひとつ、赤羽骨子を守ること。
錚々児高校3年4組・威吹荒邦はある日、クラスメイトで幼なじみの赤羽骨子が殺し屋から命を狙われていることを知る。そして彼に託された使命は、赤羽に知られることなく1年間守り抜き、無事に高校を卒業させること。こうして秘密のボディガード生活が始まった! 新感覚コメディ学園アクション!!
1週間前、不良高校生・威吹荒邦はひとつの依頼を引き受けた。それは卒業までの1年間、幼なじみでクラスメイトの赤羽骨子を殺し屋の手から守りぬくこと。それも赤羽自身には、命を狙われていることを気づかせないままで――!! 週刊少年マガジンで大人気連載中の学園”護衛”アクション!! 待望の第1巻!
(Amazonより引用)
主人公はヒロインの幼馴染ヤンキーで、ヒロイン以外のクラスメイトはヒロインを守るため組織が送り込んだスペシャリストという異色の作品。
組織の人間たる主人公が学生として学校に潜入してヒロインを守りつつラブコメをする。というのはもはや王道に近いくらい定番の設定ですが、主人公とヒロイン意外全員が組織の人間というのは俺の見てきた作品の中ではあまり例がないため引き込まれました。
まぁ主人公もケンカだけなら襲いくる殺し屋たちに対抗できるという割とチート性能なんですが……。
とはいえヒロインに向かってくる殺し屋を先んじて対処できるクラスメイトからしたら、いざ襲ってくるまで後手に回らざるを得ない主人公は素人もいいところ。
そんなクラスメイトたちに認められるべく奔走しながらヒロインとのラブコメを進めていく真面目な部分とコメディ部分がいい感じに同時進行していくストーリーがとても読んでて気持ちが良いです。
問題発生!→問題解決編スタート!といった具合に短いスパンでエピソードが続いていく一話完結式に近いテンポ感の良い流れも小気味良く、毎話読んでてストレスフリーというか読後感が爽やかです。
そうした短い流れがサクサク進む一方で全体を包む大きな流れもゆっくり進んでいくので、停滞感がまるで無いです。
ですがこの赤羽骨子のボディガードを語るのに欠かせない個人的なポイントは熱さと冷たさの絶妙なバランスにあります。
主人公が熱くキメる時はクラスメイトがクールにサポートし、クラスメイトが熱く燃える裏で主人公がクールにキメる……。
その塩梅こそが1番の魅力だと思っています。
主人公がヤンキーという設定も単にケンカが強いという設定のために留まらず、やると決めたら汚い手も平気で使うところとして生かされており、そうした搦手や戦法に敵をハメるためにクールに立ち回ることができるポイントとしてしっかり生かされており、主人公がクールでも熱血でも違和感が無いという非常に素晴らしい使われ方をしています。
最近ヒット作を連発しているマガジン作品において、次にアニメ化とかが来るならこの作品じゃないかな〜と個人的に睨むと共に、いざそれが決まった時に「俺は最初からわかってたんだよね〜!」とマウントを取るための下準備としておきます。
・ジャンケットバンク
カラス銀行中央支店、どこにでもある平凡な銀行。そこに勤務する新人銀行員・御手洗暉はある日特別業務部という聞き覚えのない部署の上司・宇佐美銭丸に連れられ、銀行の地下へ足を踏み入れる。そこには銀行が経営する“賭場”があった。謎のギャンブラー・真経津晨の戦いに目を奪われた御手洗は血沸く闘いが忘れられず…!?
銀行員×ギャンブラー新時代のギャンブルバトル開幕!!
(Amazonより引用)
銀行が時として身体の欠損や死もあり得る異常なギャンブルを運営し、その運営に関わる一員に選ばれた銀行員の青年御手洗とその賭場に突如として現れたギャンブラー真経津(マフツ)のダブル主人公作品。
ぶっ飛んだ設定に負けずキャラクターも全員トコトンまでイカれており、命の危険もあり得るギャンブルバトルにギャンブラーたちは平然と飛び込む化物揃い。
主人公真経津をはじめギャンブラーたちは命をかけることや勝って相手を叩き潰すことが目的な人たちがほとんどで、とんでもない額の賭け金は半ば参加費扱い。
そして何より異色なのがギャンブラーたちが基本的に社会的な成功者だということ。
登場するギャンブラーたちは全員異常なまでの観察力を持っています。
複雑なルールを理解し、相手の策を看破する……そうした観察力を日常でも惜しみなく使った結果、医者や芸術家、警察官といった地位や社会的信用を持った人たちがギャンブラーとして立ちはだかる異様な光景はこの作品の大きな魅力です。
銀行員側も負けてはいません。
なんせ主人公たる御手洗の最終目的が真経津の死なのですから。
類稀なる計算能力を持ち、一瞥しただけで書類のミスを見抜くほどの眼と頭脳を持つ彼はそれまでの人生で情熱を注ぐものがありませんでした。
良い大学に入って銀行員という良い職業に就いた彼からしたら人生はもうゴール目前。
しかしゴールを目の前にしてもあるのは繰り返し続く銀行員としての生活だけ。
そんな燻ったまま燃え尽き症候群のような毎日を送ってきた彼の前に突然現れた異常な空間とそれを支配するギャンブラーという存在。
真経津から「子供の時はなんでも夢中で遊べたのに、いつの頃からか何かを賭けなければ本気で遊べなくなる。本気で楽しむために命をかけて、本気で楽しんだ時に僕の命は終わるんだ。」という彼の話を聞いて人生で初めてのドキドキを感じ、彼の目的が果たされる時、すなわち極限の死闘の果てに真経津が死ぬその死に様を見るために賭場運営に身をやつします。
真経津に対しては盲信レベルで彼の全てを信じている一方で、望むのは彼の死であるために真経津が勝っても負けても楽しいというある種トップのエンジョイ勢。
真経津も真経津でギャンブルに勝つことではなく命をかけて楽しむことが目的なため、基本的にはギリギリ勝利ですし、試合に負けて勝負に勝つようなやり方をします。
というか御手洗には真経津が必要ですが真経津にとっては自分の目的を満たすために1番近いのが御手洗だから御手洗と組んでる節があり、盲信の末に御手洗が真経津を利用しようとした時はあっさり裏切って御手洗はあわや生死の境を彷徨う羽目に……。
なんだかんだで御手洗が復活してからは御手洗は御手洗でちゃんと真経津の死を見届けるために、真経津は己の目的を果たすために歪み切って一周したバディ関係が構築されます。
とにもかくにも登場人物全員ぶっちぎりでイカれているのとこの手の作品にはあるあるな特異なギャンブルのルールと駆け引きの応酬で読後感はズンと重ため。
しかしそれに相応しい満足感があり、単行本で一気にかつ繰り返し読んで楽しめる作品です。
いやぁやはり新しい作品に触れるのは良いですね。
どうしても続刊を追いかけるのが精一杯になりがちですが、そんな時こそ思い切って新しい作品に触れると一気に扉が開く感じがしますね!
またいろんな作品に触れなければ!!
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