汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第772回 好きになるキャラだいたい負けヒロイン

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第772回です。

 

負けヒロインというのをご存知でしょうか?

恋愛要素のある作品において主人公のハートを射止めたヒロイン……じゃない方のヒロインのことです。

 

厳密な定義があるわけではないですがハーレムもので主人公が1人に絞らなかったり、作品終了までに答えを出さなかったりと明確な「負け」シーンが無いと負けヒロイン扱いされることはなく、故に負けヒロインはキッチリ振られたり自ら身を引いたりと「負け」シーンが用意されるのがお約束。

また主人公がクソ野郎だったり、主人公に選ばれる=前途多難な未来が確定したりすると負けるが勝ちなのか負けヒロイン認定されないこともありますね。

 

正直「負け」という言葉を使いたくないのですが、負けヒロインという言葉が広く浸透しているので仕方なく使ってやるよぉ!(過激派)

 

いやね、負けヒロインが好きになるのはちゃんと理由があるんですよ。

別にケンロクエンが負けてフラれて泣いてるキャラを見ながら「シャーデンフロイデ!他人の不幸は蜜の味だぜぇ!グヘヘ!」ってなってるわけではありません。

 

そもそもキービジュアルの立ち位置とかクレジットの順番とかで分かっちゃいますからね、正ヒロインと負けヒロインなんて。

 

それでは何故負けヒロインが好きになるのかというと、正ヒロインが良く言えば普遍的で王道的な見た目、悪く言えば汎用的なデザインになりがちな中で負けヒロインは少し尖ったデザインなことが多いです。

正ヒロインは主人公の横に並んだ時にしっくりくるデザインだったり、世界観的に違和感の無いデザインになるのに対して負けヒロインは少し異質なポイントがあることが多いです。

 

この尖りが、なんか違うという違和感が目を引く!

 

そしてもう一つのポイントは、負けヒロインだいたい掘り下げが少ない。

 

主人公に次いで出番が多くなる正ヒロインに対して負けヒロインは当然出番が減ります。

アニメみたいな放送回が限られている媒体だと、それはもう露骨に主役回が減り、嫌でも誰が正ヒロインで誰が負けヒロインなのかを理解させられます。

 

だがそれがいい

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正ヒロインクラスになると生まれや育ちに趣味嗜好、視聴者やゲームプレイヤーといった神の視点をフル活用して主人公どころかヒロインの親兄弟よりヒロインのことを知っているなんてことも珍しくありません。

なんなら内面の心の声まで聞こえますし。

 

しかし負けヒロインは出番が少ない!

故に掘り下げも少ない!

いくら我々が神の視点を持ち得ようとも、画面に映らねば知る術は無し!

つまり……気になる!

知らないが故に気になるのです!

 

そして最後のポイントは、負けヒロインだいたい作者の性癖の煮凝り。

 

正ヒロインたるもの主人公と並んでしっくりこないといけません。

異世界転生した青年と異世界のプリンセスとか、昼行灯の主人公と転校してきた幼馴染アイドルとか!

 

それに対して負けヒロインは正ヒロインという制約を外されたが故に、もう作者が好きな性癖をこれでもか!とブチ込み、それを煮込んで濃度を高めたみたいなキャラであることが実に多い!

主人公は絶対に選ばないけど俺(作者)なら一択!みたいなキャラが負けヒロインにありがち。

 

故に刺さる!

そして刺さった時の深度が深い!

 

そして負けヒロインで忘れちゃいけない負けシーン。

パッと見のキャラデザで目を引き、掘り下げ不足が興味を煽り、作者の性癖が深いところまで突き刺さったキャラの負けシーンは非常に見ていて辛いです。

 

わかっていた……この時が来るのはわかっていたのに、いざ迎えるとハラハラドキドキ。

そして……ね。

 

最初はキャラとして好きだったのに、負けシーンの時はなんというか保護者目線になってしまいます。

 

そんなケンロクエンのベストキャラは蒼穹のファフナーに登場するカノン・メンフィス。

戦地で軍人として育った彼女は死ねと命令されればそのまま死ぬような人間でしたが、主人公である一騎との出会いや仲間たちとの触れ合いを経て人間らしい心に目覚めます。

続編たる劇場版では名実ともに仲間として共に歩み、共に戦い抜き、そして一騎に恋をします。

しかしながら初期の初期からの正ヒロインのために一歩離れたところから見守ることを選びます。いいよね。

 

転機が訪れたのはさらなる続編にて。

その頃には新人たちの世話係をするくらいみんなの一員として溶け込んでいたカノンですが、一騎がワケあって別の場所で戦うことになり、残留組を引っ張る立場になります。

 

超強い主人公を欠くことでジリ貧になる残留組ですが、味方をしてくれる超存在が彼女たちに新たな力を授けます。

カノンが目覚めたのは数多の並行世界の未来を追体験することで、望む未来を掴み取る能力。

 

この力を使って全滅の未来を少し、また少し改善することでみんなの未来を掴み取ろうともがく日々。

しかしこの能力にはデメリットがあり、使えば使うほど体重が減っていきます。

それこそ人としてあり得ないくらいに。

 

それでも仲間のために力を行使し、あと少しで希望の未来を掴み取れる!そんな時にカノンが見たのは、他の仲間たちが全滅する代わりに一騎と2人だけ生き残って結ばれる未来……。

 

正ヒロインがいてかつ見守る立場を取ったカノンが結ばれるにはコレしかありませんが、彼女は頑としてこれを否定。

 

希望の未来へとつながるものを得た時に、彼女の体重は21gしかありませんでした。

限界を悟ったカノンは深夜に誰もいない一騎が働いていた思い出の喫茶店に1人赴き、光に包まれて消えていきました。

 

その時呟いた「好きだよ……一騎」の一言が本当に切なくて切なくて……。

 

その回を何度繰り返して見たことか!!!

 

うぅ……思い出しただけで締め付けられる、胸が!心が!魂が!

 

一時期複数ヒロインものがやたらとノベルアドベンチャーゲームになってた時期がありました。

各ヒロインルートがあって、だいたい機種はPSPだったあの時代です。

 

なんとか!なんとかカノンメインルートをどうにかならんか!?

アレが必要なのはわかっていますが、本当に本当に切なくて、それでいて消えていくシーンがめちゃくちゃに美しくて……。

 

大好きです、負けヒロイン。

だけどいつも魂が震えるのです。

 

難儀なものなのです……。

 

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