常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第835回です。
エイプリルフールですね。
「エイプリルフールの嘘は午前中しかついてはならない」そんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
それそのものは知っていても、その理由を知っている人は少ないのではないでしょうか?
この午前中にしか嘘をついてはならない理由は、実は本来のエイプリルフールが宗教的な行事であったことに由来します。
敬虔なる信徒は常日頃から清廉潔白を義務付けられます。
虚偽の発言などもってのほかであり、いわゆるホワイトライなどの誰かを気遣う優しい嘘ですら非難を浴びるほどです。
ですが、年に一度この4月1日の午前中だけは嘘をついても良い、むしろ嘘をつくことが奨励されるほどだったのです。
というのも邪なる者は常に甘い嘘で我々を誑かそうとします。
いつもならそれを振り払うのが正解ですが、この日の午前中だけは進んでこちらから嘘を言う。
そして締めにこう言うのです。
「お昼になったらまた会おうね」
と。
まさか彼らが嘘を言うとは思わない邪なる者は良いカモが捕まったとばかりに意気揚々と引き返し、約束通りにお昼に再びやって来ます。
しかしそこにいるのは打って変わったかのように清廉潔白な信徒たち。
午前中の彼らは?彼らと話したお昼に会う約束は?そもそも自分が約束を交わしたのは本当に彼らだったのか?
そうやって年に一度だけ邪なる者たちをこちらから翻弄する日こそがエイプリルフールなのです。
つまりエイプリルフールのフール(愚者)とは、嘘をつく者ではなく嘘をつかれる側なんですね。
当然そのような行事があると知られたら意味がありませんから、秘密裏に秘密裏に進められたこのエイプリルフールですが、いつしか全ては形骸化。
ただただ嘘をついて良い日ということだけが大きく広まり、本来の意味どころかフールがどちらを意味するのかすら曖昧になってしまいました。
無論それを新たな行事として楽しむ風潮もあるので、何が正解で何が間違っているかを語るのは野暮というものです。
ですが、たまには本来の意味に立ち返り、嘘をつくということや、嘘をつくことそれだけで邪なる者を惑わせるような清廉潔白な生き方を考えてみるというのもエイプリルフールの過ごし方としてアリなのではないでしょうか?
まぁこれ全部嘘なんですけどね。
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