汚泥の底日誌

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第832回 「タコピーの原罪」から感じるジャンプ変わった?感

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第832回です。

 

昨年末より始まるや否や爆発的なムーブメントを巻き起こし、ここ1ヶ月に至っては日付が変わる瞬間から1日の話題を持ちきりにしていたタコピーの原罪が本日最終回を迎えました。

 

みなさん見ました?

 

作品に関するアレコレや感想はさておき、まずすげーな!と思ったのは「邪悪なドラえもん」という誰もが一度は考えるであろう話をここまでガンガンに盛り上げたというところ。

そして無料のインターネット媒体という利点を活かしきったことにはとにかく脱帽。

 

「タコピーの原罪という漫画が凄いらしい」という話を聞いてもアニメだったらネットで無料で見直せるのはせいぜい初回と見逃し配信用の最新話で、4話とか5話でドカン!と盛り上がっても1話と4話しか見れないならまぁいいか……になりがちですし、漫画に至っては単行本出るまで待たなきゃになるので見ようとしない層は必ずいます。

俺がそう。

 

それをインターネットの無料媒体だから盛り上がったその時に、しかも全話無料で読めるよ!というのは実に魅力的。

「この漫画面白いから読んでみて!」とか「単行本が出たら買ってみて!」という従来の販促とは違う、「みんなと一緒に盛り上がろう!まだまだここからキミも流れに乗れるよ!」という誘いに抗える人がどれだけいるか……。

少なくともジャンプ+の編集部は「出して」と言われたら適切な方法を出せるタイプだったッぴねぇ……。

 

で、タコピーの原罪はもとより短期連載だったんですけど、正直なところネット媒体のジャンプ+とはいえ、「ジャンプがこれやるんだ……!」という気持ちでしたね。

言い方クッソ悪くなるんですけど、ジャンプ漫画のイメージって「限界まで引き伸ばして引き出しの中がすっからかんになるまで1つの作品を骨の髄までしゃぶり尽くす」って感じあるじゃないですか。

それこそ何十年前の藤崎竜先生の封神演義が「歴史を基にした漫画なので引き伸ばしも無く円満に終わった最初で最後の作品」と今でもネタにされるレベルで。

それどころか引き出しの隅から隅まですっからかんにした上でその作品に合わない違う段の引き出しの中身や、引き出しに残ったなんかよくわからないものまで引っ張り出した挙句にグダグダだったり超展開になるパターンも。

 

ありませんか?

めちゃくちゃ好きなジャンプ漫画だけど、ラストは超展開過ぎてあんまり……な作品。

それでもきっちり終わってくれれば良いですが、しっちゃかめっちゃかになって「この漫画ラストでわけわかんなくなったよね」的な評価になって悲しくなった人も少なくないでしょう。

どんなにかっ飛んでも綺麗に着地させる「終わらせ力」がある漫画家さんは本当に凄い。

 

それがこのタコピーの原罪は最初から短期連載な上、ネット媒体をうまいこと使ってきました。

それに加えてここ数年のジャンプ漫画といえば、絶頂期にあるにもかかわらずしっかりストーリーを終わらせてそのまま作品ごと終わった鬼滅の刃に、2部があるとはいえこちらも綺麗に終わったチェンソーマンなど「昔のジャンプだったら引き伸ばしたなぁ」と思う作品がチラホラ。

さらに鬼滅の刃はその絶頂期の流れそのままに連載終了から2年経つ今でも大人気の化物コンテンツになりましたし、チェンソーマンも1部終了後作者の藤本タツキ先生がジャンプ+で描いた「ルックバック」がこれまた大ヒット&大バズり。

 

このジャンプ変わった?な流れの源流はどこなんだろうと個人的に考えると思い当たったのが「サムライ8」。

あの「NARUTO」の作者が原作を務める作品で、ジャンプも連載前から猛プッシュ。

誌面上で特集を組んだり、クソデカ看板広告を出したり、連載前インタビュールポ漫画を載せたりとドッカンドッカン推してくる。

その結果はと言うと……はい、そういうことです。

 

個人的な感想ですがサムライ8はNARUTOの終盤の悪いところ全部盛りって感じだったなぁと。

なんていうかNARUTOの終盤ってめちゃくちゃインフレしたじゃないですか。

序盤は里と里との小競り合いだったのに終盤は宇宙規模のバトルになり、それに対応した忍術も周囲一帯更地にしてお釣りが来るようなドラゴンボールもかくやなレベルに。

そんで奴の目的は〜とかこの忍術は〜とかゴリゴリに説明が入るんですけど、まぁそれがややこしい。

イザナミイザナギって結局どういう忍術なんだってばよ!?は誰しも通ったかと思いますが、ストーリーのインフレにせよ忍術の複雑化にせよそれまでの話から10の内1から3〜5くらいまではなんとなく理解できてたりしたわけですよ。

だから残りの5〜10もハッキリ理解したわけではないがなんとなくわかるで作品を楽しめたんですが、サムライ8はこのストーリーのインフレモードレベルでアレコレ壮大な話をされるんですが、NARUTOと違ってそれまで1〜5が無いからなんのこっちゃわからない。

だから作中で1〜10まで説明するんですが、そんなのいきなり詰め込まれてもやっぱりなんのこっちゃわからない。

もしかしたらしっかりストーリーや設定を理解した上で読み込めばめちゃくちゃ面白かったのかも知れませんが、なんのこっちゃわからないまま終わってなんのこっちゃわからないという感想だけが残りました。

 

あのNARUTOの作者でさえこうなんです。

まぁ漫画って水物ですしね。

よくあるじゃないですか、今ならできない〜とか、今だったらもっとウケてた〜みたいな話。

 

そういう色々なアレコレがあってジャンプが変わってきたのかなって個人的には思いましたね。

まぁ全部憶測なんですけどね!

 

とはいえ昔は「俺超漫画オタクッスよ!ワンピとか全巻読みましたし!」がニワカの代名詞扱いされる風潮があったのに、今ではワンピース全巻読んでたらそりゃ立派にオタクだわになるくらいですから、物語はうまい具合に長すぎないところで終わって欲しいというのはあります。

ワンピースは最後に海で航海したの何年前だよ……ってレベルですし。

 

俺としてはこのままジャンプが面白い作品を面白いまま、作品として作者が終わらせたいところでちゃんと終わらせるスタイルを続けてくれるととても嬉しいです。

なんて思うのも、これが老化ってやつなのかもしれませんが。

 

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