汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第9回 ジョーカーを見てきたけど…

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第9回です。

 

映画ジョーカーを見てきたので感想なんかを書いていこうと思います。

例によってネタバレ必至なので、構わないという人だけ読んで頂ければと思います。

 

 

この映画はバットマンの最強のライバルとして有名なジョーカーの誕生を描くストーリー。なのだが、どうにも俺には合わなかった。

ストーリー自体は悪くないし、描写、見せ方も素晴らしかった…が、これがジョーカーだというのが合わない理由なんだと思う。

そもそもジョーカー誕生秘話そのものがコミックスやメディアミックスごとに多数あり、その多様性もジョーカーという男の闇の深さに一躍買っている側面もあると思う。

だからこそ人によってジョーカーに求めるものが違うということもままあると思うのだ。

先程述べた合わなかったというのは言葉を濁しているわけではなく、自分がどんな形でジョーカーに触れてきたか、自分がどんなジョーカーを求めているかによって解釈が分かれるというのが大きいということで、この映画が面白くなかったというよりは、俺が求めたジョーカーではなかったということなのだ。

 

そんな感想が湧いてくる時点でジョーカーというキャラクターの深さにやられているわけなので、それを再認識させられたということはこの映画の持つ意味はデカかったと思う。

手のひらの上だな!

 

俺が求めるジョーカーというのは元々が悪いやつ、クソ外道で、それがある致命的な出来事をきっかけに壊れしまったという印象を持っていた。

バットマンシリーズそんなに詳しくないから違ったらごめんな。

今作のジョーカーはとにかく不幸。

生い立ち、成長過程、境遇その他諸々何から何までオール不幸。

ストーリーを語ろう。

 

アーサー、彼はピエロとして生計を立てつつコメディアンを夢見る壮年の男性。

彼は脳かはたまた神経の問題か、唐突に笑い出してしまう発作を患っていた。

 

ある日アーサーが楽器店の閉店セールの宣伝のため店の前で看板を持ち、ピエロとして踊っているとチンピラに看板を強奪されてしまう。

チンピラを追いかけて路地裏に入ったアーサーは盗まれた看板でボコボコにされ、お金も奪われてしまう。

 

翌日同僚から襲われた同情から渡された紙袋にはなんと拳銃と弾丸が!

護身用としてのプレゼントらしいが戸惑いを隠せないアーサー。

そこに会社のボスからの呼び出しが。

なんと襲われたアーサーのことを楽器店のオーナーが職場放棄と見なし、看板を返せと怒っているらしい。

襲われたことをボスに訴えるも聞き入れてもらえず、アーサーは失意のままに帰路につく。

 

家に帰ると心臓を弱くした母親の世話が待っている。

母親はかつてお手伝いとして働いていたウェイン家に貧困の惨状を嘆き、資金援助をしてくれないかと連日手紙を認めていた。

今日も返事はないことを母親に伝えるアーサー。

テレビに映るウェイン氏は市長選挙に出馬することを表明したイケイケの証券会社社長。

いつかウェイン氏が援助してくれることを期待しながら唯一の楽しみであるマリーというコメディアンのショー番組を見るアーサー。

いつか自分がここに呼ばれることを夢見て。

 

ある日出会ったシングルマザーの女性に気を引かれたアーサーは出来心から彼女を尾行し、バレてしまう。

しかし彼女はそれを歯牙にもかけず、アーサーがコメディアンを目指していることを知るとショーに出る日を教えてと言うほど胆力があった。

以前ショーに出た時は発作のせいでまともに演じられなかったアーサーだったが、彼女に次の出演日を教え惹かれていく。

 

しかし転機は突然訪れる。

 

小児病棟の子供達の為にピエロとして出向いたアーサーだったが、ダンスの途中に護身用の拳銃を落としてしまう。

必死で小道具だと言い訳をしたものの、小児病棟に拳銃を持ち込んだこと、それを子供に見られてしまったこと、何より彼に拳銃を渡した同僚が彼に拳銃を渡したことをバラして売られてしまったためにクビを宣告されてしまう。

 

絶望感に苛まれ、ピエロの格好のまま地下鉄に乗るアーサー。

そこでは女性が酔っ払い3人組に絡まれていた。

何もできないアーサーだったが、突然発作が出て笑い出してしまう。

 

酔っ払い達の矛先はアーサーに変わり、殴る蹴るの暴行を受けたアーサーは拳銃で3人組を射殺してしまう。

 

家に逃げ帰ったアーサー。

テレビではマリーのショー番組がやっている。

そこに映ったのはショーに出ているアーサー自身。

ジョーカーという名前で紹介されたアーサーは発作でまともにネタが披露できないこと、ネタ帳を見ながらでないとネタができない不器用さを酷評されてしまう。

憧れの人物にこき下ろされて悲しみに暮れたアーサーは惹かれていた女性の元にいき慰めてもらう。

 

2人はデートをし、彼女をショーに招待。

ショーはなんと大成功!

家に帰ってきたアーサーはルンルン気分で母親のもとに。

母親はいつものようにウェイン氏への手紙を書いていた。

母親が寝静まったのを確認したアーサーは母親の手紙を覗き見てしまう。

そこに書かれていたのはアーサーが母ペニーとウェイン氏の不貞の子であったことだった。

 

怒りのままに母親に詰め寄るアーサー。

母親は事情を説明するが、納得できない、裏切られたと思ったアーサーは家を飛び出す。

 

帰ってきた時に目にしたのは脳卒中を起こし救急搬送される母親の姿だった。

 

母親の看病をするアーサーに付き添う女性。

 

辛い境遇のアーサーにかかってきた電話はマリーのショー番組のディレクター。

なんと以前紹介したアーサーの映像に大反響があり、アーサーを番組に招待しようというのだ!

快諾したアーサーのもとに現れる2人の警察官。

 

地下鉄で起きたピエロの殺人事件で殺害された3人が富裕層だったために貧困層が謎のピエロを英雄視し、富裕層を殺せ!とデモを起こしているのだ。

 

自分は関係ないと言い切ったアーサーは後日、ウェイン氏に母親の病状を伝えるべく彼の家に向かう。

家の前で幼きウェインの息子ブルースと遊んでいる最中に執事の男からブルースに近づくなと拒絶される。

自分がペニーの子であることを叫ぶアーサーだったが執事の男はウェイン氏とペニーの間には何もなかった、ペニーはイかれていると罵る。

激昂したアーサーは劇場に忍び込み、観劇の合間にトイレでウェイン氏に直接糾弾。

しかし、そこでウェイン氏が語ったのはペニーがイかれて精神病院に入院させられたこと、その時養子縁組を行った、つまりアーサーはペニーとウェイン氏の不貞の子どころか、ペニーの実の息子ですらないということだった。

呆然とするアーサーを殴りつけその場を去るウェイン氏。

家に戻ったアーサーは精神病院に行きかつてのカルテを閲覧する。

そこに書かれていたのはウェイン氏の言う通り、ペニーが入院させられたこと、養子縁組をして捨て子であったアーサーを迎え入れたこと、義父に虐待を受け頭部に酷い外傷を与えられたこと、それをペニーが見て見ぬ振りをしていたことだった。

 

入院する母親の元に見舞いに行ったアーサーは全てを話し母親を殺害する。

帰り道に全てを思い出すアーサー。

彼と惹かれあった女性は全てアーサーの妄想の産物。

女性とは一言二言声を交わしただけ。

女性も娘も狂気のままに殺害したアーサー、彼に残されているのはマリーのショー番組に出演することだけ。

そしてマリーのショー番組に出演するため、ピエロのメイクをする。

そこに訪れたのはかつての同僚。

1人は拳銃を渡し彼を売った男。もう1人は辛い生い立ちの彼に唯一優しくしてくれた男だった。

 

自分を売った同僚を惨殺し、優しくしてくれたもう1人を見逃したアーサーは意気揚々とマリーのショー番組に向かう。

そこに現れた警察に追われるも、デモのため地下鉄内がピエロでいっぱいだったこと、揉みくちゃにされた勢いで暴発した警察の拳銃で死人が出たしまったことでパニックが起き、それに乗じてテレビ局へと逃げおおせた。

 

そしてショー番組直前。

かつて紹介したジョーカーの名前で自分を呼んでほしいことをマリーに告げたアーサーはついに憧れのショー番組に出演。

ピエロのメイクで番組に合わないブラックなネタを言うアーサーにブーイングが響く。

そこでアーサーが語ったのは自分が一連のピエロデモの発端となった地下鉄殺人事件の犯人ということだった。

自分の身に巻き起こる不幸や境遇をまくし立てた後に彼はマリーに叫ぶ。

 

彼は気付いていた。

ショー番組に呼ばれたのはコメディアンとしてではなく、笑い者にされるためだと。

怒りのまま生放送でマリーを殺害するアーサー。

それを見ていたピエロのデモ隊はヒートアップし、街を破壊していく。

 

その凶行に巻き込まれ、ウェイン夫妻は殺害され、ブルースの運命は変わっていく…

 

アーサーを連行するパトカーは歓声に包まれ、見送られていく。

そこに突っ込んできたのはピエロの運転する救急車。

ボロボロの車内から引きずり出され、ボンネットに横たわるアーサーに響き渡る立ち上がれ!のコール。

目を覚まし、万雷の拍手に包まれて数多のピエロの中心に君臨するアーサー。

ここにジョーカーは誕生した…。

 

それから数日、ジョーカーは精神病院に収監されていた。

カウンセラーに自分が思いついたネタは理解できないさと告げるジョーカー。

その後、手錠の付いたままカウンセラーを殺害したジョーカーが笑いながら逃げ惑うシーンで物語は幕を閉じる。

 

書き出すと長いなぁおい!

しかもところどころ記憶が曖昧で、時系列がぜんごしているかもしれない。

 

今回の映画でジョーカーことアーサーは不幸の限りを尽くして生きていく。

ありとあらゆる不運、裏切りにあいながらもコメディアンを夢見るも、それすらも発作のためにうまくいかない。

 

ジョーカーは行き過ぎとしても、これだけ不幸なら歪みもするだろう。

そんなジョーカー、というか悪人は実はこんな悲しい過去が〜というのが好きではない。

歪んだ理由に納得できるからこそ、これがジョーカーであることに納得できなかったんだ。

 

この映画、前知識無しでも楽しめる!って触れ込みだったから見に行ったんだが、前知識無い方が楽しめるんじゃないかなぁ?