常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第918回です。
もう結構前ですが、同好の士のオタクたちとオフ会をしました。
同じものが好きなオタクが集まってわちゃわちゃするオフ会は非常に楽しく、誇張抜きに人生の中でも上位に入る思い出になりました。
そこからもう一つ前のオフ会となるともうずっとずーっと昔に遡り、まだ俺が学生だった頃まで遡ります。
思えばアレが軽くトラウマというか、心に刺さったトゲになってしまっていたんだろうなぁと今となっては思います。
高校を卒業して進学のために地元を出た俺は遠い地で楽しくやっていたのですが、そこでもはや懐かしいmixiでとあるコミュニティに入ります。
それはアニソンやゲーソンをアレンジして演奏するコミュニティで、高校時代吹奏楽部だった俺は興味が湧いてそこに所属、しばらくはコミュニティの動向を眺めたり、たまに発言する程度だったのですが、ある時とあるメッセージが届きました。
「オフ会して数曲やりませんか?」
生まれて初めてのオフ会のお誘いは興味半分恐怖半分。
しかしながら最終的に興味が勝ち、そのお誘いを承諾しました。
メッセージをくれたのは3人で、しばらくの間メッセージ上でやり取り。
そして数ヶ月後に小さいホールを借りることとし、その下見も兼ねてその3人と俺の4人で一度会うことに。
初めて会った3人はとても気持ちの良い人たちで、全員初めてのオフ会ながらもあれやこれやと話し合い、なんとかホールを押さえてコミュニティ上で「この日にやるので参加する方ぜひぜひ!」と誘いをかけました。
「〇〇でやるなら絶対行く!」と先んじて言ってくれていた方たちが即座に参加を表明し、「えっ〇〇でオフ!?行く行く!」とこれまた別の人が参加表明。
それからしばらく休みが合えば4人で集まり、他愛のない話をしながらオフ会の計画を練り、参加人数が1人、また1人と増えるたびに喜びながらも不安を抱く。
そんな日々を過ごしていました。
そしてあれよあれよという間に参加上限人数に近づいた時に、唐突にメッセージが届きました。
「コミュニティの重鎮的な人が参加表明をしている!!」
それはこのコミュニティの立ち上げに携わり、多数のオフ会に参加していたコミュニティのボスクラスのうちの1人の参加表明を知らせるメッセージでした。
仲間内、コミュニティ内とはいえあの有名人が参加するのか!?という驚きは筆舌に尽くし難く、とにかくおっかなびっくりで話し合いをしたのを覚えています。
初めてのオフ会が参加人数限界まで人が集まり、コミュニティの重鎮も来る!
楽譜と睨めっこしながら練習し、合間合間にオフ会の打ち合わせ。
そんな日々を過ごしながらオフ会前日、4人のうち1人の家に早々に集まって前夜祭と称して明日のことを話し合い、わいわいがやがやしながら眠りにつきました。
当日早めにホールに行くと、既に何人かが待機してくれていました。
「もしかして〇〇さんですか?」「僕〇〇です!」とザ・オフ会といった感じの自己紹介を挟みつつ、楽器と撮影用のカメラやマイクをいそいそセッティング。
結構な人数が集まっただけに老若男女多種多様がわちゃわちゃしているところに現れたのがコミュニティの重鎮。
なんだか気難しそうに見えましたが、挨拶を済ませて全体に参加してくれたことへの感謝。
1時間くらいパートごとに練習タイム。
そしていざ本番!!
無論ミスもあるので何度か撮り直しをしたものの、数時間に及ぶ演奏会は無事終了し、撤収作業もスムーズで安堵感に包まれました。
その後はみんなでご飯を食べて、二次会行く組は二次会に、そして最初の4人で家に戻って「アレは良かった!」「ココは改善できる!」と反省会。
総じて今回を足がかりにまたやりたい!ここでもできる!という結論に達し、朝方近くまでドンチャンやっていました。
昼過ぎ頃に目覚めたところ、悲しそうな顔をした1人がスッとコミュニティの掲示板を見せてきました。
そこには「楽しかった!」「この場所でここのメンバーと会えるとは思わなかった!」などの感想が並び、社交辞令もあるでしょうけどおおむね最高と言っていい朗らかな雰囲気でした。
しかし、ある程度読み進めると空気が変わりました。
コミュニティの重鎮がオフ会を徹底的にダメ出ししていました。
曰く「準備が悪い」「ホールが楽器演奏用じゃない」などのダメ出しに始まり、「自分が来た時にはじまりの4人はすぐに挨拶に来なかった」などの重鎮を重鎮らしく扱わなかったことへの批判など多岐に渡っていました。
多くのメンバーが「初めてだから仕方ない」「私はそれでも楽しかった」と庇ってくれてはいたのですが、段々と重鎮の機嫌が悪くなっていくのがひしひしと伝わりました。
お通夜のような空気で解散した後自分の家に戻ってコミュニティを見ると、逆に批判を受けた重鎮がブチキレており、そこに今回のオフ会に参加してない重鎮サイドの古参メンバーが重鎮の擁護に回って火に油……と大変なことになっていました。
4人で重鎮に謝ってなだめつつ、参加者には感謝をしていたのですが、数日後に4人のうちの1人が何も言わずにコミュニティを抜け、それをきっかけに俺も逃げるように去りました。
それから何年も経ち、何度かオフ会に誘われることもありましたがなんとなくお断りしてきました。
意識はしていなかったのですが、今思うと最初のオフ会がトゲになって刺さっていたのかもしれません。
そこからまた数年経ち、同好の士たちがオフ会をしているのを聞きつけました。
俺も何度かお誘いを受けたのですが、本当に仕事の予定が合わずに毎度毎度お断り。
そんな中で「じゃあケンロクエンさんが都合の良い日を教えて。俺達合わせるよ。」とのお誘いが。
もはや逃げ場無し。言うなればノーウェイアウト。
覚悟を決めて日取りを決めて、あとは野となれ山となれ。
少しずつその日が近づく中、遠方参加組がそろそろホテルを決めないとね〜と話題に出しました。
参加メンバーの1人が飲み過ぎて吐いてしまった過去があることを知っていたので「何かあった時のために、ホテルを合わせるのもいいんじゃない?」と振ったところ、「じゃあみんなで同じところ泊まるか!」からの「民泊一棟借り切ってオタク合宿しようぜ!!」とぶっ飛びました。
は?
これが面白そうなのもまた事実で、サクッと宿泊場所を確保して準備OK!
しかし、日取りが近づくたびに募る不安も本物で、当日は色々あって早朝から職場に行き、そこから待ち合わせ場所に行くことになったために1人めちゃくちゃ早く着きました。
コーヒーを飲みながら1人ごちていると気を利かせてくれた参加者の1人が俺のところまで来てくれて、軽く談笑しつつ待ち合わせの時間を待ちました。
駅の改札で1人、また1人と集まっていく中でドキドキは最高潮。
そしてとある1人が来た瞬間、その1人がいつもネット上で話していることと寸分違わぬ言動だったことで「あぁ、いつも通りでいいんだ。緊張しなくていいんだ。」と気持ちが吹っ切れるのを感じました。
あの時長年突き刺さっていたトゲが取れたんだと思います。
あとはカラオケではしゃぎ、宿泊場所で騒ぎ、翌日解散する時には「時間が足りない!」「まだまだ遊びたい!」と最初の不安が嘘のように楽しさしかなかったです。
本当に本当に、夢のような2日間でした。
今は時勢柄おいそれと集まることが難しいですが、色々な問題がクリアできたら日本中飛び回ってオタク仲間たちに会いに行きたいですね。
まったく……コミュニティの重鎮なんて所詮は無名界の有名人でしかないのに、そんなもんに頭を下げて尻尾を振って、随分と長い時間と多数の機会を失ってしまったものです。
これからはいつかどこかで汚泥の底で、いろんな人と楽しみを共有したいですね。
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