汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第846回 古参オタクに界隈が潰された話

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第846回です。

 

作家にアイドル、配信者。

世に出た時から足繁く通ったり応援してきた人たちにはいつか大きく羽ばたいて欲しいもの。

しかしながら小さいコミュニティ故の応援している人たちとの距離の近さや、応援しているオタク同士の慣れ親しんだ空気感の心地良さもよくわかります。

それが歪み拗れて1つの界隈が潰れてしまった時の話をしましょう。

 

もう数年前になりますが、とある配信者の人を応援していた時期がありました。

お世辞にも有名人とは言いづらく、配信に集まる人もまぁ……それなりの数字でした。

 

ですがその人が配信は趣味でやっているから数は別にどうでもな人であったことから少ない人数相手にものんびりとやっており、応援している側ものんびり応援していました。

 

のんびり応援している時にふと風の噂で知ったのが、その人を応援しているコミュニティがあるということ。

全ての配信を見たりコメントしたりしてる訳ではないから、ガチで応援しているグループに入るのはさすがにちょっと……という思いから、その応援グループには属さずに時折除く程度にしていましたが、やはりその熱量は凄まじいものでした。

 

特にそのコミュニティの主である人は活動量も半端では無く、配信があればいの一番に駆けつけてコメントしたりTwitterで宣伝したりと熱心で、狭い界隈ということもあって配信者の方にも認知されていました。

その認知が原動力なのか、その人はどんどん熱量を増やし、それに加えて配信者の方が活動量増やしたこともあってじわじわとファンの数も増えていきました。

 

当然コミュニティに属する人数も増えてきた……というか、いくら人数が増えたと言ってもファンの数はまぁそれなりでしかないため、その配信者さんを応援する唯一のコミュニティかつ実質公認ファンクラブ状態であったため、その人を応援するならここに入って当然だよね!みたいな空気感ができていました。

そして俺はその入って当然!な空気が人見知り陰キャな自分とマッチせずに、相変わらず時折覗くスタイルで過ごしていました。

 

時折覗くスタイルでチラチラ見ているとあるおかしなことに気がつきました。

コミュニティの主は配信者さんの応援のためにいわゆる切り抜き動画などを作っていたのですが、お世辞にもクオリティが高いものではありませんでした。

それ自体は悪ではありません、むしろ自分には能力が無いから……と諦めずに作品を作って世に出すことは素晴らしいことです。

ですがそのコミュニティでは切り抜き素材をコミュニティ参加者が素材を主に提供しそれをもとに主が切り抜き動画を作成、動画が世に出たらコミュニティ参加者が一斉にそれをTwitterリツイートしたりして宣伝という配信者を応援しているのかコミュニティの主を持ち上げているのかちょっとわからない感じになっていました。

 

不審に思ってコミュニティをもう少し探ってみると、コミュニティの中で主の発言力が非常に大きいことが判明しました。

 

ありますよね、古参オタクの発言力がめちゃくちゃ大きくなってしまうあのパターン。

 

配信者さんを応援したくて入ったのに古参オタクに謎の敬意を払ったり、自分で動画を作りたいのに主に素材を提供しなければならないという謎ルール。

そしてそんな主の作った低クオリティの動画を宣伝しなければならないというジレンマに、少しずつ不満が募っているのがあちこちから感じられました。

 

そんな時に現れたのがコミュニティに属さないとあるオタク。

彼はコミュニティのルールなんか知らないが故に自身の手で切り抜き動画などの応援を始めます。

そしてそのどれもが主と比べると高クオリティで、それまで主からしか供給がなかったということもあってファンからの支持をあっという間に集めてしまいました。

 

しかし主はそれが気に食わなかったのか頑なに彼の作った動画などは宣伝せず、自身の創作物を「このコミュニティ発信の創作物!」と声高に謳うことで対抗しようとしました。

 

もう主は配信者さんの応援より配信者さんから認知されたコミュニティの主であるということの方が優先度が高くなってしまっていました。

 

コミュニティからは人がどんどん抜けていき、素材提供が滞ることで主の創作ペースも鈍化。

焦った主はコミュニティに新規のメンバーを求めます。

俺のところにもやって来ましたしね。

 

しかしながら人は1つ大きな問題が起こると連鎖的に今まで我慢できていた小さな問題も我慢ならなくなる生物。

あちらこちらで囁かれる主の悪い噂もあってコミュニティは衰退の一途を辿ることとなりました。

 

そしてある時決定的な事件が勃発します。

配信者さんが配信中に主のコメントを見つけた際に冗談めかして「最近あんまり動画作ってくれてないじゃないですか〜」とイジったのです。

当然ただの冗談で、むしろ他の何も知らないオタクから見ればこの人は配信者さんのために動画作りをしており、しかも名前を認知してもらっている!と羨望の眼差しを集めるところなのですが、主は焦りました。

 

なんせ長いこと素材集めを他者に依存していたわけですし、それに加えて高クオリティの動画を作る競争相手までいる。

焦りが限界を迎えた主が取った行動は、それまで無視を貫いてきた高クオリティの動画を作るオタクへの接触と自身が運営するコミュニティへの勧誘。

 

主の噂もコミュニティの謎ルールも知らないオタクは二つ返事で了解しコミュニティ入りするのですが、そこで主が安心したのかコミュニティの謎ルール等を押し付けていってしまいます。

それにキレたオタクはコミュニティの内情を洗いざらい暴露。

当然それは配信者さんにも伝わり、小さな界隈の中の大きな事件になりました。

 

高クオリティ動画作成をするオタクは金輪際配信者さん及びその界隈とは関わりたくない!と姿を消し、コミュニティも実質解散。

配信者さんも主と距離を置きたくなったのか今まで欠かさず主の作った動画にしていた反応を取りやめる事態に。

 

全てを失った主は掌返して罵詈雑言を配信者さんや周囲の元コミュニティ所属者に浴びせました。

やれ「俺がここまで育ててやった」だの「みんなの集まる場所を作ったのは俺だ」だのと喚き散らし、それに心を痛めた配信者さんは活動をやめてしまいました。

 

怒りをぶつける相手がいなくなった結果主もどこかへ行ってしまい、かくしてその配信者さんを中心とした小さな界隈は跡形も無く消えてしまいました。

 

とても悲しい出来事でした。

 

俺も長いこと同じ人やグループを応援しているので、他のオタクから「実は前から知ってました」的な反応をいただいたことが何度かあります。

また、一部の応援している人から少なからず認知を得てオタクの中での有名人、いわば無名界の有名人的なポジションになってしまっている界隈もあったりします。

 

たぶん俺が「〇〇のファンはかくあるべし」的なことをほざいたら、影響が出る界隈もあるんだろうなぁと思った時に、この事件のことを思い出しました。

 

あの人は今どこで何をしているんでしょうか?

 

せめて健やかであれ。

 

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