汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第22回 自分の感性に自信が持てなくなった時

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第22回です。

 

基本的に俺は自分が少数派でも好きなものは好きでいいと思ってるタイプなんですよ。

世間じゃクソゲー扱いされても俺が好きならそれでいいし、人気がなくても俺が好きならそれでいい。

でも、みんなが好きなものを好きになれないときになんだか違和感が吹き荒れる。

 

例えばFPSやTPSといったジャンル。

 

最近はいろんな種類のゲームが台頭してきていて、動画投稿、配信サイトなどでも誰かしら常にやっているが、俺にはその良さがさっぱりわからない。

いや、やらないわけじゃない。

メタルギアはシリーズ通してプレイしたし、地球防衛軍も好きだ。

だが世間で求められているFPS、TPSのあり方は主に対人対戦。

これがわからない。

 

百歩譲って一体一ならわかる。

だが今のトレンドは集団vs集団か多人数でのバトルロイヤル。

どれだけ自分が頑張っても誰かのミスで敗北するのはたぶんイラッときちゃうし、逆に自分がみんなの足を引っ張って負けたと思うと目も当てられない。

更に百歩譲って友人同士でチームを組んでなら負けてもゴメンで済むし、お前気をつけろよ〜笑くらいで済むだろうから良いが、野良でたった1人で知らない人とチームを組んでなんて考えられないし、ましてやバトルロイヤル系のゲームなんて!

なんでわざわざ敵だらけの中ゲームなのに孤独を味わうような真似をするんだ!

こちとらテイルズオブジアビスをやっててメンバーがクッソギスギスしてる時に胃がキリキリして、いっそジェイドだけでも始末してしまおうか…なんて考えるくらいなのに、数十人、数百人こいつらみんな敵です!味方いません!なんて言われた日には秒で胃が爆散する!

 

だがここまでは要はゲームシステムが身に合わないというだけの話。

そういう人もいるだろうし、それをあまり気にしたこともなかった。

 

本題に入ろう。

 

ここより先映画ジョーカーの内容にまたしても触れるかもしれないので見たくない人はここまでだぞ!

 

 

以前映画ジョーカーを公開して日が浅い内に観に行き、そして感想をこのブログで書いた。

その感想は俺には合わないというもの。

 

ストーリーは素晴らしかったし、見せ方も凄い。

だがこれがジョーカー?ありとあらゆる不運を味わい、同僚に裏切られ、憧れの人物に晒し者にされた可哀想な男が?

絶望の中で犯した殺人がたまたま世間のダークサイドと合致した結果祭り上げられた偶像がジョーカー?

そんな気持ちになってしまい、なんだか腑に落ちない、釈然としないものを抱えてしまって褒める気にはならなかった。

これがオリジナルのダークヒーロー誕生物語だったりすれば俺もスタンディングオベーションものだったかもしれないが、もともと悪役にもこんなに悲しい過去が〜というのが好きではないというところに、それをよりにもよってジョーカーでやるか!?という気持ちがどうにも拭えなかった。

 

しかしだ。

 

世間ではご覧の通りの大絶賛。

アメコミ初のナントカ賞受賞とか、今年の〇〇賞受賞は確実!なんて謳い文句で埋め尽くされている。

確かに映画としては素晴らしかったし、いずれかの賞を受賞することに文句はない。

でも、誰しもジョーカーになる可能性がある。とか、ジョーカーに共感してしまった。とかの宣伝がマジで!わけわかんねぇ!

 

確かに誰しもジョーカーになる可能性があるだろう。アレだけの不幸と裏切りを与えられればね。

ないだろ!そんなもん!

共感なんかできっこなかった。

確かに作中でジョーカーことアーサー・フレックはありとあらゆる不幸と裏切り、悪意に晒されジョーカーとなり果ててしまったが、殺人を犯すまでの彼は自身の問題と向き合い、母の介護を全うし、そんな中でも夢であるコメディアンになろうと足掻く高潔な人間である。

逆境の中でも夢のために頑張る強い精神力も、それが折れてしまった絶望感もある種超人的、超越的でとてもじゃないが共感とは程遠い。

 

そして生まれたジョーカーは自分が持っていたジョーカー像と違ったこともあり、出てくる感想がことごとく世間と真逆という結果になってしまった。

 

割と平々凡々と生きてきた俺としてはこんな感想を抱いたのは初めてで、日々増えていくジョーカー最高!の感想に もしかして俺がおかしいのか…? と悩みを隠せない。

あまりの世間との乖離っぷりに ジョーカー 面白くない とか ジョーカー 批判 とかで検索をかけてしまおうかと思ったくらいだ。

やってないよ。

 

ということで昨日、実はもう一度ジョーカーを観に行った。

もしかしたら俺が見落としてるナニカをみんなが見ているせいで感想が違うのかもしれない。

しかし、結果は変わらず。

 

相変わらず素晴らしい映画だったが、これがジョーカーというのは納得できなかったし、共感などできるはずもなかった。

うーん…なんなんだこの世間との食い違いは…。

みんな本当に同じ映画を観ているのか…?

 

一応この映画は今までのどの映画とも時間軸を共有しない完全オリジナル。

ブルース少年がゴッサムの黒騎士になるかすら確定していないいわばジョーカーしかいない世界なので、今後続編や新たな展開があれば、この違和感も払拭できる時が来るのかもしれない。

 

俺の感想が世間とのズレなのか、実は先見の明バリバリの未来を見据えた感想だったのか。

映画的には素晴らしかったので、今後の展開に期待する…なんていうのは掌で踊らされすぎかな?