常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第208回です。
深夜に友人たちと今更100日後に死ぬワニの話をしました。
100日目には未曾有の瞬間最大風速を叩き出し、その数分後にそれを超える逆風で周囲を薙ぎ払ったあのワニです。
とはいえ100日目に至るまでの期待感、ドキドキは凄まじいものがあり、俺も最後の日までをドキドキしながら見守った1人です。
おそらく、2020年上半期を代表する作品は何か?という質問を投げかけたら、このワニを挙げる人は少なくないでしょう。
数多の人の期待を受け、最後はベタながらもベタの良さを出し切って終幕を閉じたワニ。
しかしその数分後にとんでもないどんでん返しが始まる。
書籍化!映画化!コラボ曲!そしてニッコニコの死んだワニくん(天使ver)が宣伝する追悼ショップ!
山ほどの新展開にある人は呆れ、ある人は怒り、そしてある人はワニくんが死んだ以上に嘆き悲しんだわけです。
いやぶっちゃけね、死をネタにする…と言うと少し聞こえが悪いですが、売り込むにあたって要素の1つとするのはそんなに珍しいことではないんですよ。
感動モノと呼ばれる映画で恋人や家族との別離がテーマになるのはしょっちゅうですし、それこそセカチューや恋空なんかが流行った時には後追いのドラマが山ほど作られ、ワンクール終わる頃には連日どのチャンネルでも若い男女のどっちかが死んでるというとんでもジェノサイドが吹き荒れた時代もありました。
要はタイミングと扱い方。
みんながワニの死を悼み、悲しみに暮れ、いつ我が身に降りかかるともしれない死や何気ない日常を慈しんでいた瞬間に真逆のテンションでやっほー!遂に死んじゃいましたわ〜!おつかれちゃーん!みんな僕の遺品を買いに来てちょんまげ!みたいな感じのノリノリのテンションで追悼ショップ!なんて言われたら、中々ついていける人は稀でしょう。
間髪入れないタイミング以上に気になったのがそのテンション。
書籍化、映像化はまぁするだろうと思ってましたし、これくらいならあのタイミングで発表してもまだわかります。
コラボ曲と追悼ショップをみんな待ってたでしょ?みたいなテンションで発表するのがわからない。
ていうか生きる。って思うのは残されたネズミくんたちでしょうに、お前ついさっき死んだやんけ。
そういったズレが大量にありましたよね…。
これがワニニーニ・ワーニニってタイトルの不条理ギャグ漫画だったり、百☆鰐☆白書〜霊界探偵編〜みたいな死んでからが本番、なんなら生き返るみたいな作品だったらあのテンションの追悼ショップも理解できるんですが、ワニくんの場合もっとシリアスでウェットな死だったじゃないですか。
作品だけでなく己自身とも向き合うような作品だったのに、あのテンションでの宣伝のせいで一気に死が陳腐に、ライトになってしまった感を感じました。
その後そのバックに付いてた企業のことで一悶着あり、作者さんが涙ながらに作品について語ったのですが、それだけ作品に感情を込めたのならば、何故あのような宣伝を許してしまったのか?という思いが拭いきれず、作者さんや周りの人達が作品について真摯であればあるほどにワニの死が自分の中で陳腐化してしまいました。
いっそのことお涙頂戴を狙ってやった!くらい言ってくれた方が俺としては腑に落ちたように思います。
しかし、作品が素晴らしかったのは紛れもない事実。
もちろんマーケティングのパワーも凄かったのでしょうが、あれだけ多くの人を巻き込んだ作品に出会えるのは人生でも稀でしょうから、今後もそういった作品に出会えるといいなぁと日々思っています。
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