常日頃からお世話になっています。
ケンロクエンです。
アラサー世代の人なら、いや、今や知らない人はいないといっても過言ではない。
もうすぐ新作も発売される超人気シリーズ、ポケットモンスター。
当然俺は初代ドストライク世代。
周囲の熱狂っぷりたるや凄まじく、〇〇ってアニメは社会現象になったよなwwwというオタク特有の残念な発言なんぞ目じゃないレベルで正真正銘本物の社会現象だった。
なんせ俺の地元は山口県。
フジテレビとテレビ東京はケーブルテレビに加入しないと映らず、何故かやっていた笑っていいとも!の再放送は夕方の4時か5時くらい。
幼心にいいとも青年隊の歌うウキウキウォッチングを聞きながら、東京の人はこんな時間までお昼休みも取れないのか…と戦慄していたものでした。
フジテレビとテレビ東京が映らないということは当然ポケモンのアニメも映らないということであり、学校では家庭がケーブルテレビに加入している子が別の子にVHSを貸し借りして情報共有をしていた。
その頃ケンロクエン宅は父親の勤めていた会社が別社員の金の持ち逃げで倒産してしまったことでケーブルテレビに加入する余裕などなく、お隣のおばさんに録画をお願いしていた。
その見返りとして、兄と2人でおばさんの腰が痛む時は代わりに犬の散歩に行ったりしていた。
そんな辺境の地、山口県でもみんながポケモンにハマり、ポケモンやらざるは人に非ず、基本的人権は尊重されるべきだがポケモンをやっていない奴はその限りではない。そんなことが冗談じゃないレベルで流行していた。
クラスの派閥なんて男女より先にポケモンやってるかが来るくらいだった。
俺は小学校入学してすぐに肺炎かなんかでしばらく入院するという最悪のスタートを切ったものの、ポケモンをやっていたこと、お隣のおばさんの助けでアニメの情報を持っていたことでクラス内での立場を少しずつ固めていった。
ところで皆さんは初代ポケットモンスターについてどれくらいの知識を持っているだろうか?
ポケモンにはいくつかの分類がある。
1つは通常ポケモン。
これは野生等でいくらでも手に入る普通のポケモンだ。
次にバージョン限定ポケモン。
初代ポケモンには赤と緑の2つのバージョンがあり、そのどちらかでしか入手できないポケモンがいた。
ストライクやブーバーなんかが代表的なもので、それらが出るバージョンでは上記の通常ポケモンのようにいくらでも手に入るものの、出ないバージョンでは敵が使ってくるのを見ることしかできないというコレクター意識を揺さぶるものだ。
つづいて伝説ポケモン。
いわゆる一度しか入手チャンスがないポケモン。
最初に選ぶポケモンや2回しかチャンスがないカビゴンなんかも大体このカテゴリと考えてくれていい。
それらに続くポケモンとして、通信進化ポケモンというものがいる。
この4体はそれぞれの進化前こそ通常ポケモンなのだが、最後の進化をするには通信交換を行わなければならないという極めて高いハードルがあった。
なにせハード、ソフトがそれぞれ2つずつ、それに通信ケーブルなんていう外部機器まで必要なのだ。
当時のポケモンの人気ぶりを見て、兄弟に1つずつゲームボーイとカセットを与える親はいたものの、通信ケーブルまで持ってる家庭は極少数だった。
その極少数に当てはまる男がいた…そう俺だ。
兄が産まれる時に病院での暇つぶしのために両親が買ったテトリス、ドクターマリオ、それらと一緒に購入されていたのだ!通信ケーブルが!
これにより兄のソフトにポケモンを送りまくり、タマムシシティのゲームフリークで賞状を手に入れることが可能となった俺はクラスの頂点に君臨した。
先程説明した通信進化ポケモンのうちフーディンはジムリーダーのナツメが、カイリキーは四天王のシバが、ゲンガーは同じく四天王のキクコが使ってくるため、手に入ることはないものの、ゲーム中で視認することは可能だ。
しかし、ゴローニャに関しては使ってくる敵が1人もいないため、進化させて手に入れる以外に見ることすら叶わない幻の存在だったのだ。
そんな時に話題になったのは幻のポケモン、ミュウの存在だ。
このポケモンはゲーム中で少ない資料中に語られる以外情報がなく、ミュウの子供を遺伝子改造したミュウツーがいることから逆説的にミュウも存在することが証明されるという極めて謎のポケモンだった。
その謎のポケモンを手に入れるため、数多の小学生達がセレクトボタンでコイキングをミュウに錬成してニーナとアレキサンダーどこいった?みたいなことをやっていたところに前述のゴローニャの件が悪い形で広まってしまった。
どうやらケンロクエンというやつが、見たこともないポケモンをバグ抜きで持っているらしい。
そんな尾鰭の付いた噂を聞きつけた上級生達が大挙して俺のクラスに押しかけたのだ!
お前が持ってるポケモンを見せろ!ミュウなのか!?どうやって手に入れたんだ!?どうせバグなんだろ?そのバグ技のやり方を教えろ!嘘か!?嘘なんだな!嘘つきだ!嘘つきだ!嘘つきだ!
まさかゴローニャのことを指してるなんて露とも思わないわけで、気分は現代の魔女狩り状態。
よくウチに遊びに来ていたサイトーくんがケンロクエンはそんな謎のポケモンは持ってない!と弁護してくれたおかげで事なきを得たものの、その後も何回か同様のことがあった。
そのゴローニャがサン・ムーンで髭生やして出てきた時は、あの時俺を追い詰めたくせにこんなふざけた格好で出てきやがって…!と勝手に敵意を燃やしてボッコボコにしてやったよ。
今度発売される新しいポケモンでは出てくる種類が大幅に削減されるらしい。
もしゴローニャが出てきたら持てる全てを尽くしてチリ1つ残らず消滅させてやろうと思っています。