汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第997回 双方向の表現力とは!

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

龍が存在する世界で、その龍を狩猟して空を征く「捕龍船」クイン・ザザ号を主役に展開される漫画、空挺ドラゴンズ

この作品が好きで毎回単行本が出るのを今か今かと待ち構えながら定期的に読み返しているのですが、それを読んでいてふと思いました。

 

この漫画、クイン・ザザ号の乗組員は多かれ少なかれほとんどモブのキャラまで長所や短所、性格面が描写されていて、漫画内でフィーチャーされる龍を狩猟する龍捕り(おろちとり)のシーン以外の普段の生活でもだいたいこんな立ち位置なんだろうなというのがなんとなく察せられるのですが、メイン級のキャラでありながらほとんど描写がない人に気付きました。

 

それがクイン・ザザ船長代理のクロッコ

ほとんど全ての話に登場しておきながら最新の話までほとんど言及がなく、過去に初代クイン・ザザの乗組員だったときに初代を雷を操る龍に沈められたことと、そこから初代の出資者をなんとか説得して二代目クイン・ザザを建造、初代と共に行方不明になった船長の後を継ぐ意味で船長代理を名乗り、今に至る……ということくらいしかわかっていません。

 

文字に起こすと過去に龍と因縁があって〜などとわりかし重厚な背景を抱えていますが、そもそもなんで初代クイン・ザザの乗組員になったのかとか、二代目を建造して今のメンバーを集めるまでの紆余曲折等は全くと言っていいほど情報がありません。

 

さらに言うと捕龍船の乗組員としての腕前を言及されることはまるで無く、いつもは船長室にいるのにとある事情で巨大な龍を解体すべく現場入りした時は解体作業ができること自体を乗組員に驚かれていたほど。

もちろん船長なんてほいほい現場に出るものではないのですが、それにしたって乗組員たちがほとんどモブに至るまで龍捕りにおける何かしらの尖ったスキルを持ち合わせているのに対してクロッコはあまりにも描写が……不足……不足……?

 

読み返していて気付いたのですが、如何なる事態においてもクロッコがミスをするシーンが……ない。

龍捕りにおいてクロッコは操舵の補助として昇降舵を動かしての船の上下移動を担当しているのですが、この上下移動をミスって龍に上や下を取られたシーンはゼロ。

さらにめちゃくちゃ狭い洞窟や峡谷を無理矢理突破する「捕龍船がやることじゃねぇ……」と言われるシーンに置いても操舵手の無茶振りに秒で合わせるテクニック。

さらにさらにそれまでの捕龍船にはなかった新装備がついたクイン・ザザ号のでも操舵手が慣れずにあたふたする中クロッコだけは新装備を難なく使いこなす。

 

そんなクロッコを誰が褒めるわけでもなくただそれができて当然のようにみんなが振る舞う。

 

これはもしかして一切描写しないことでクロッコの腕前と乗組員からの信頼を現しているのでは!?

 

本当かどうかはわかりませんし、本当だったからといって物語的にはそれで?くらいのものではあるのですが、これがマジなら序盤のアレコレから最新のシーンに至るまでより面白くなるシーンが沢山あって、また初めから読みたくなります。

 

描かないことで表現し、こちらが汲み取ることでより深みを増す。

双方向の表現力!!

 

いやまぁ実はそんなことなかったとかあるかもしれませんが、俺はこう考えることでより作品が好きになったんだからそれでヨシ!

 

書きたいことを全部書いてごっちゃになりがちな俺も、こういうことができたらいいなぁ。

 

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