常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第858回です。
法で裁けぬ悪を討ち、私服を肥やす権力者を斬る……!
毒を以って毒を制し、悪に堕ちては悪を成す……!
いつか破れ果てるその日まで……!
ダークヒーローものやピカレスクロマンといったジャンルは非常にカッコいいですよね。
古くから、そして現代に至るまで人気のジャンルであり、今もまた新しい作品が世に出てきています。
ダークにせよライトにせよヒーローもので大切なのは魅力的な悪役の存在。
倒すべきだと視聴者サイドにもしっかり認識させることで倒した時のカタルシスを生み出し、そんな巨悪を打ち倒すことでヒーローがより輝くわけです。
そしてダークヒーローものとなるとこの悪役にいくつか条件が付きます。
まずは法で裁けないこと。
普通に罪を犯しただけなら公権力の出番だけで終わってしまいますから、ダークヒーローの出番がありません。
よって何らかの理由で法で裁けない理由付けをしなければなりません。
代表的なものは証拠隠滅。
証拠も無しに法の裁きを下すことはできませんから、ダークヒーローに頼る他無いということ。
他にも権力パワーで揉み消したり、取り締まる側を傀儡にしたりとあの手この手で身の保身を図り、それに対してダークヒーローは失われたはずの証拠を持ってきたり、時には直接手を下すことで弱きものの味方として闇で暗躍するわけですが、どんな有能ダークヒーローでも逃れられぬ宿命というものがあります。
それがシナリオ上のインフレ。
物語が進めば仲間が増えたり敵から思わぬ反撃を受けたりとパワーバランスが少しずつインフレします。
でないとず〜っと小さな悩みを解決するだけになってしまいますから。
そして始めは学園理事長の息子のイジメを暴く!くらいだったものが学園外、町内、企業相手などとどんどん規模が大きくなり、敵側も最初は露見すると困るくらいのものを隠していたのが明確に犯罪行為になり、敵が政治家なんかになる時には極限までインフレし反社会組織と手を組み、警察を手中に収め、その上で次期総理大臣を狙う!なんていう権力の欲張りセットみたいな奴がポンポコ出てきます。
そうなるともうある程度権力を持ってる奴は大体悪い奴で、数少ない主人公たちに味方してくれる数人の政治家以外はほとんど全員敵の傘下だったり一緒になって汚職とかしまくってるし、警察も反社と一緒になって証拠隠滅のためにバシバシ人殺してたりで治安がマックス世紀末。
一般人は何も知らずに利用されてるんだ!!的なフレーズはお決まりですが、アレだけヤバいことしまくって人の命も軽く消して、それを一才露見させずに組織や国家を運営してるの一周まわって有能では?
ダークヒーローが頑張って裁いた暁には内閣総辞職じゃ済まないくらいの責任問題になって、国内はともかく世界からの立場無くしそう〜と思いながらハラハラしてしまいます。
なんなら知らずに利用されてる一般人を除けば割と不幸な人が数える程度で、その数える程度の人の笑顔のために国家転覆レベルの行動を起こすのはいくら正義のためのダークヒーローと言えど、ダークが過ぎんか?とドキドキしてしまいます。
考えてみてくださいよ!
田舎でのんびりスローライフしていたら「臨時ニュースです!政治家と警察が実はクッソ悪い奴で、反社と手を組んでアレコレやってたので纏めて豚箱ダンクシュート!世界的な評価がダダ下がりしたので一部の国との関係悪化で物価がヤババです!」なんてニュースが流れたら!
もっとこう秘密裏に処理とか……できんか!?
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