常日頃からお世話になっております。
ケンロクエンです。
おかげさまで第483回です。
つい最近友人間で竹取物語、いわゆるかぐや姫についての話をすることがありました。
竹取翁というお爺さんが山でその名の通り竹を取っていると、キラキラ光る不思議な竹を発見。
不思議に思って竹を切ると中から小さな女の子が!
この時翁のエイムが数センチ下にズレていたら竹取どころか命取物語(タマトリモノガタリ)になっていたでしょうから、出だしから本当に光り輝いていたのは竹よりも翁のファインプレーでしょう。
手のひらに乗るような小さな女の子にかぐや姫と名付けるも、かぐや姫はそれからほんの僅かの時間で誰もが目を奪われる絶世の美女にワープ進化。
日々色んな人から求婚されるようになりますが、頑として首を縦に振りません。
それでも諦めない数人の貴族たちにそれぞれ「如来の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠の皮衣」「龍顎の珠」「燕の子安貝」を持ってきたら結婚しても良いとオーダーを出します。
まぁどれもこれも実在しないor存在が疑問視されるようなものばかりで、ワンピースとかドラゴンボール持ってこいよばりに無理難題で、貴族たちも挑戦するにはするものの、どれも死んだり破滅したりとえらいこっちゃに。
ついには時の帝まで出てきて求婚されるも、それにもかぐや姫は答えません。
それでも帝とは和歌のやりとりをしたりそれなりに良い感じになっていましたが、ある夜翁はかぐや姫が夜毎に泣いているのを発見します。
何事かと思って訳を尋ねると驚くべきことに彼女は月星人(Moon noid〜ムーノイド)であり、もうすぐ月より迎えがやってきて月に帰らねばならないという衝撃の展開を伝えます。
このことを知った帝は大慌てで軍勢を揃え、彼女をムーノイドの手に渡してなるものかと迎撃準備をするものの、天体間航行を可能とするムーノイドの軍勢には歯が立たず、かぐや姫は月へと帰ることとなってしまいます。
とまぁざっくりこんな感じなのはみなさんもご存知の通りだとは思うんですが……わりかしバッドエンド感がヤバいですよね。
竹取翁なんかそれこそ翁って言われるくらいにはジジイなのに、その歳にして我が子を奪われるとかたまらんでしょうよ。
そしてこの竹取物語ですがとにかく謎が多い代物でして、そもそもなんでかぐや姫は竹の中にいたのかとかストーリー上の謎もありますし、そもそも作者も不明でこの人じゃね?みたいなことが諸説あるものの結局のところ誰が書いたのかはわかっていないのが現状です。
作中登場した求婚したら無理難題出されて死亡or破滅した貴族たちの中の数人が実在したりモデルになった人がいたことは明らかになっており、かぐや姫=作者のオリキャラに嫌いな貴族が告って破滅するみたいなことを書いたんじゃないかなんていう転生なろう小説みたいな説すらあるくらいです。
「異星の美女に転生したら俺を認めなかった貴族たちがこぞって求婚し始めたけどもう遅い」
みたいなね。
それがマジだったとしても帝とは和歌のやりとりをしていたりとかぐや姫といい感じになっているあたり「さすがに帝はヤバい」という当時の倫理観が伝わってくるあたりは少し面白いですね。
その帝ですがムーノイド及びかぐや姫から去り際にあるものを渡されます。
それは「不死の妙薬」
不老不死を実現させるこの薬ですが、帝はというと「かぐや姫のいない人生を何年生きていても意味はない」という意味の詩を詠み、この世で1番月に近いほど高く、そこからなお煙を天に伸ばす山に薬を焼き捨ててしまい、それゆえにその山は不死の山「富士山」になったのだという所以があるのだとか。
この富士山が煙を上げているという描写が竹取物語がおよそ1000年前に書かれた作品であることを裏付ける時代考証的に重要ポイントらしいのですが、それより俺は帝の考え方が気になりました。
惚れた女がいない世の中じゃぁ……不老不死なんざ意味ないね……と言ってしまうハードボイルドな帝は非常にシブカッコいいのですが、これがもし現代なら「月くらい不老不死になればそのうち一般人にも行けるようになるのでは?」と考えてしまいそうなところ。
それが不老不死でも無理となってしまうあたりがまさに1000年前の価値観といった趣が感じられて好きです。
なんせライト兄弟が動力飛行に成功したのが100年ちょっと前なことを考えると飛行機が誰もが乗れる交通機関になったのはまだ100年経ってないわけですからね。
空を飛んで地球のあちこちに行けるようになるのにそんなにかかることを考えたら、地球を離れて月に赴くなんて想像もできないでしょうし、不老不死があっても意味がないと思ってしまうかもしれませんね。
と、ここまで書いて後は「1000年経てば人の考え方ってこうも変わるのですから、1000年後にはもっとぶっ飛んだ考え方当たり前にできるようになるんでしょうね!」的な感じで締めるつもりだったのですが……。
俺は今なんて言った?
現代なら不老不死があれば月に行けるって考える……?
なんでそんなこと思った?
俺は……俺は……これを知っている?
突如溢れ出したケンロクエンの中の存在しない記憶……じゃない!そっちじゃない!ジャンプだけどそっちじゃない!
これは…これは……Dr.STONEじゃないか……。
突如として発現した謎の発光現象により地球上の全ての人類は石化してしまい、そこから復活した卓越した頭脳を持つ少年「石神 千空」は全ての人間の石化を解き、そしてこの石化の原因を突き止めるために科学を駆使して挑戦する物語です。
説明はばびゅーんと省きますが、文字通り裸一貫で文明の崩壊した世界に放り出された千空にとって石化の解除どころか日々の生活すら無理難題の連続です。
それこそ如来の鉢や龍顎の珠のように。
しかしながら現代を生きた彼には「科学」という武器があります。
自然を、理不尽を科学の力で捩じ伏せながら、千空は着実に駒を進め、ついに石化の原因が謎の機械にあることを突き止めます。
この石化というのが随分とヤバい代物でして、石化解除の時に大半の怪我なんかが治ってしまいます。
作中では石化後にバラバラになったものをピッタリくっつけてから解除したら五体満足でしっかり復活できた他、石化前に脳死状態に陥った人を石化解除で治療したり、肺を損傷して命を引き取った人を遺体を保全してその後石化→解除で復活という死者蘇生すら成し遂げています。
まさに不老不死の妙薬です。
そして現在、物語中でこの石化を引き起こす謎の機械がどこから来たのかが判明しており、千空たちはそこを目指してあれやこれやを進めています。
その場所は……「月」
いやマジで考察とか好きだけど頭悪いからできなかったタイプの人間なのですが、これはあるのではないでしょうか?
物語の根底に竹取物語の存在が!
あの時無知故に、月に行けるようになることに思い至ることすらなかった人類が科学の力で月を目指す。
となると全ての元凶というか、石化を引き起こした始まりの人物は…「かぐや姫」は月でまだ生きている……!!
かもしれない。
昔と今で考え方って違うよネ☆くらいのノリで書き始めた今日のブログですが、こんなところで現代の作品と繋がるとは思わなかった!
いやこの考察が全部お門違いの可能性はあるのですが、もし当たったらめちゃくちゃ自分の中でスッキリしますね。
というわけでDr.STONEはかぐや姫のアンチテーゼ(使い方あってます?)説をここに俺は宣言します!!
ますます作品の今後が見逃せないようになってしまったぜ……!
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