汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第352回 ハンチョウに出てくる宮本さんが凄いぞ!

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第352回です。

 

カイジのスピンオフ漫画「1日外出録ハンチョウ」を買いました。

カイジの地下チンチロ編で登場したハンチョウこと大槻を主人公に据えたこの作品、ハンチョウが地下チンチロで巻き上げた金で地上への1日外出券を購入し、その外出の様子を描いた作品なのですが…。

ぶっちゃけカイジ知らなくても問題なく面白い作品です。

 

最低限の知識として地下チンチロ編を読んでおけば地下周りの設定がスッと入ってくるのでオススメですが、地下にいる人は帝愛という企業に借金をして払えなくなった人、地下から出るにはお金を払って見張り付きぐらいのことがわかっていれば大丈夫かと思います。

 

というのも本編で見せたハンチョウの悪辣さはほぼ鳴りを潜め、第1話で酒の飲めないサラリーマンを肴にビールを飲んでたところくらい。

側近の沼川と石和に関してはやらかしたりはするもののハンチョウと組んでイカサマを仕掛けていたとは思えない、それどころかかつての友人が地下に堕ちてきた時にはハンチョウにイカサマの餌食にするのはやめてくれと頼んだり、幕末ファンで坂本龍馬の墓前で涙するという時として好人物とさえ思えるようなキャラ付けをされています。

 

なのでとりあえずみなさん1度は読んでほしいオモシロ漫画なんですが、このハンチョウに出てくる宮本さんというキャラがめちゃくちゃに良いキャラなので知って欲しい!!

 

この宮本さんは序盤に外出するハンチョウの見張りとして登場。

それまで見張りは少し離れた物陰からこっそり見守るポジションだったのですが、宮本さんはガッツリお隣。

曰く見張りが距離を取っているのは外出券を買えるほどに堅実にお金を貯めるような人間を債務者とはいえ信頼している証であると。

そして宮本さんは地下でハンチョウがイカサマをしてることには気づかないものの、毎度ありえないくらい大勝ちしていることに不信感を抱きハンチョウのことを信用せずにすぐそばで監視を行うということを宣言。

 

これによりハンチョウの外出にピッタリ宮本さんがくっつくことになるのですが、その日のハンチョウのグルメ巡りに巻き込まれていつしか陥落…!以後度々ハンチョウたちと共にあちこち外出することになります。

これだけではハンチョウに籠絡されただけのように思えますが(実際外出券の費用を一部負担したり帝愛にバレたらヤバそうなことはしてるが)最低限の規律を守るのが宮本さんの良いところ。

 

例えば宮本さんはハンチョウ、沼川、石和と比べるとぶっち切りの年下。(初登場時29歳)

ですが沼川と石和はもとよりハンチョウも大槻と呼び捨て。

それに対してハンチョウ一派は時折宮本……さん!となるもののさん付け。

なんというかめっちゃ気の合う年下の先輩みたいなポジションですね。

 

そして宮本さんの推しポイントは他人のために泣けるところ。

基本的に借金を返さなかった者が堕ちる地下のため、地下にいる債務者たちは総じてクズという認識。

そんなわけですから帝愛側である黒服たちも彼らを見下しているのですが、そんなクズの集まりの中でハンチョウ、沼川、石和の3人のような気の合う人たちが出会えたことを「奇跡」とまで言い、沼川が機嫌を悪くして3人が喧嘩をしかけた時に宮本さんまさかのマジ泣き。

 

これには3人も喧嘩どころではなくなり見事に和解。

この他お花見に世話になった先輩を声かけたり、その子供たちにも優しく接したり基本的には情に厚い人であることがうかがえます。

う〜ん、推せる!!

 

そしてもう一つ良いところとして怒り方がうまい。

初登場時にピッタリくっついて監視をした際も距離感は債務者との信頼の証であり本来距離に対する規則は存在しない。と理路整然と説明し、その後ハンチョウが他の班長と物販について揉めそうになった時も「規則上は問題ない」と周囲をしっかりいさめる。

 

ハンチョウに個室が与えられた時も「物販の管理という名目にすれば冷蔵庫の持ち込みも可能」という規則を曲げる、見逃すのではなく規則の範囲で可能な限りの解釈をして活用する有能っぷりを披露…!

 

そして極め付けは沼川が発酵食品の製作に目覚めた時の話。

たまたま読んだ発酵食品雑誌に感化された沼川は物販と共に発酵に必要なものを持ち込み地下で製作を開始。

最初は失敗したもののトライ&エラーを繰り返し見事に成功!

しかし沼川の作った発酵食品が他の黒服に見つかり没収、懲罰の危機に!

そこに颯爽と洗われたのが宮本さん!

 

地下への持ち込みが禁じられているのは物販以外の反逆の意思ありと見なされる物品及び一切の動植物であり、発酵食品に必要な菌が動植物とは言えないと他の黒服を論破!(この時他の黒服に宮本さんとさん付けて呼ばれているので彼が黒服の中でも高い地位にいるのがうかがえるのも良ポイント)

 

そこだけで終わらないのが宮本さん。

発酵食品づくりは違反ではないが、こちらに報告すべきであったと沼川をたしなめて怒った手前引くに引けなくなった他の黒服の振り上げた拳の落とし所を用意すると共に罰として沼川の作った発酵食品を食べると「うまい」と評して他の黒服に配る。

 

これによりその場を収めるだけでなく沼川の発酵食品づくりを認めさせるという完璧すぎる怒り方を披露。

完璧すぎる…!ほしい…職場に…上司に…!

 

その後地下視察に現れた帝愛No.2黒崎に沼川の作った発酵食品が見つかってしまう。

これがなんと黒崎に美味いから全部持って帰ろうと言わしめるほどの出来栄えで、それはあんまりだと黒崎に追いすがろうとする沼川!

それを止めたのは他ならぬ宮本さん!

 

彼の立場的に止めざるを得ないのですが、ここまでの関係性を見ているとここで沼川を止めないと壮絶な制裁を沼川が受けてしまうというのを見越してだったのかな?と思ってしまいます。

 

全ての発酵食品を奪われた沼川。

いつもぴっちりオールバックが乱れているのを目にしたことから沼川の内心を察する宮本さん。

が!次のシーンで沼川がまだ発酵食品への情熱を失ってないことを知るとめちゃくちゃ熱い笑顔で1番成長したのは発酵食品ではなく沼川本人!と心の中で絶賛する宮本さん!!

 

なんて、なんて熱い男なんだ!!

 

凄いぞ宮本さん!

関係性オタクは宮本さん絶対推せるぞ!

 

みんなも読もう!ハンチョウを!!

 

ブログの感想、お題、ネタなどありましたら

johnny.may.jellyfish@gmail.com

までお送りください。

また、記事下部の星、Twitterでいいね、RTしてくださるとケンロクエンが小躍りして喜びます!