汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第262回 愛をその身で感じるために

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第262回です。

 

全身で愛を感じたい…。

かつて友人が突然発した頓狂な発言です。

 

その頃友人はめちゃくちゃギャルゲーに御執心でして、暇さえあればギャルゲー!休みの日は一度も家から出ずにギャルゲー!

ギャルゲー!ギャルゲー!ギャルゲー!

そんな日々を送っておりました。

 

そして友人はある時壁にぶつかったと俺に相談してきました。

 

冒頭数分やったらストーリーもキャラも理解できてしまう、と。

 

あぁ…こいつ疲れてるんだな、ついに目覚めちゃいけない感覚に目覚めたんだな、という俺の哀れみの視線に気づいた友人は、キャラの見た目や世界観でなんとなく性格が掴めてしまうのはよくあることで、性格が掴めてしまうと攻略法もなんとなくわかってしまう!と必死の言い訳をしていました。

 

ギャルゲーだけで愛を悟ったモンスター恋愛強者はそこで冒頭のトチ狂った発言をかますわけです。

 

全身で愛を感じたい…と。

 

そこで友人がゲームショップを回って手に入れたのがダンレボパッド!

 

バカなのか?こいつ?

 

ダンレボパッド、ご存知ですか?

ゲーセンにあるダンスダンスレボリューションの家庭用版についていた、自宅でダンレボができる専用のマット型コントローラーです。

このダンレボパッドは要は踏んで操作するコントローラーなので、その他のゲームにも流用可能な代物なのですが友人曰く、全身で愛を感じたいならば、全身を動かせばいい!

 

あ、やべーわこいつ…。

 

かくして全身でギャルゲーをプレイし始めた友人ですが、これがなかなか難しい。

普通の操作もおぼつかず、簡単な操作や選択肢もミスをしてしまう。

制限時間やアクション要素があるシーンなんかではもう汗だくです。

 

汗だくでハァハァ言いながらギャルゲーをプレイする様は完全に危険人物のソレなのですが、滴る汗をものともせずに愛を感じるために頑張る友人はとても輝いて…ないですね、怖いわその執念。

 

当の本人はわかっているのに行動が追いつかない、気持ちに体が付いていかない感覚を これが…恋か…! と非常に肯定的に受け取っていました。

今でも友人関係を続けている仲のいい友人ですが、関係を絶とうか迷ったのは後にも先にもこの時だけです。

 

異常な運動量をこなしてハッピーエンドを迎えたワケですが、さすがにそこでダウン。

愛のために身を滅ぼした男を他所に、俺も別ゲームをダンレボパッドでプレイ。

 

それはストリートファイター

当然CPUが最弱設定でもボッコボコにやられるので、トレーニングモードでプレイ。

出せない!波動拳が出せない!

 

いわゆる波動コマンドを足で出すだけでこの難しさ!

グリン!タンッ!ですよ!グリン!タンッ!

そして訪れる災厄の時。

 

アォォァ!

ビキィっと足がつったわけです…。

 

波動拳出そうとして足がつったなんて文字面が非常に意味不明なんですが、つったもんはつったんです。

 

しかし負けるわけにはいかない!

つった足を汗だくの友人に伸ばしてもらい、立ち上がって再チャレンジ!

グリン!タンッ!グリン!タンッ!グリン!アォォァ!

何度も何度もチャレンジして…ついに…!

 

ハドーケン!

 

出た!出たよ!波動拳が出たよ!

 

振り向いた時には友人が背後でスッと立ち上がりスタンディングオベーション(汗だく)

受ける俺とガッチリ握手(汗だく)

 

うん…絵面が汚いな。

 

こうして全身で愛を感じた男と全身で波動拳を発した俺とは友情を再確認し、もう2度と使わねぇ!とダンレボパッドを押し入れに叩き込みました。

 

愛とは、そして戦いの道とは、かくも険しい茨の道なんだなぁ…。

 

 

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