汚泥の底日誌

文章力向上と自分の書きたいことを書き殴るためのブログです。

第65回 思い出がソシャゲになったとき

常日頃からお世話になっております。

ケンロクエンです。

 

おかげさまで第65回です。

 

あの名作シリーズがスマホで登場!なんて触れ込みでソシャゲの新作発表がされたときのユーザーの反応はどうしてもマイナスの方が多い。

現行でシリーズ作品やアニメなんかをやっているならまだしも、もう長らく新作が出ていない死蔵同然だったIPがソシャゲで復活した場合、もう新しく新作とかリメイクはないんだろうなぁ…という気持ちがデカい。

 

少なくとも俺の知る限りでは、ソシャゲで復活からの新作発表!という華麗なるリ・バースを決めた作品は思い当たらない。

 

新作が作れるほどソシャゲが当たったら、売れるかどうかの博打をしてまで新作を作る必要はないですからね。

 

とまぁマイナスイメージばかりツラツラと書いてきましたが、そんなこたぁ言われ尽くしてるんですよ!

じゃあプラス要素はなんなのか!?

 

既存IPのソシャゲ化でありがたいのはその多くがシリーズ総出演のお祭りソシャゲになりがちなこと。

ソシャゲ化にあたって最新のクオリティで描き直されたキャラクターや、側面、背面が初めて明らかになったものも多い。

なんだかんだでもう死蔵されたまま朽ちていくだけだと思っていたキャラクターたちに再会できるのは嬉しいのだ。

 

当時のハードスペックでは表現できなかったド派手な技なんかを最新の技術でしっかり描写してくれるなら、とてもとても感涙ものなのである。

 

そしてもう一つはIF展開がやりやすいこと。

 

ソシャゲがガチャで稼がないといけない以上、新規キャラ、新規装備の必要性は絶対。

しかしシリーズの中からあの時のキャラ!とかあの時の装備!なんてのは限界があります。

マイナーキャラばっか集めてもそれを金払ってまで手に入れよう!って人はごく少数でしょうし、そんなキャラをプッシュするためには性能を爆上げするほかなくて、ぶっ壊れキャラが産まれてしまう…。

 

そんな時にイベントに託けたIF展開はとても相性が良いわけです。

 

ソシャゲあるあるとして、イベント期間はパラレルワールドでも良い。という風潮があります。

いつもは血で血を争い、命のやり取りをするキャラたちが夏は海で水着だ!いつもは殺し合いだけど今だけビーチバレーで勝負!なんてのも許されるのがソシャゲイベント。

 

そこをうまく使って、あの時敵にならなかったパターンのキャラとか、剣も槍も使えるけどアニメでは槍使いだったキャラが剣使いで実装!なんてのも。

 

IF展開のためだけに新作アニメなどを作るのはコスト的に見合いませんが、イベントという枠をうまいこと使って出さなかったキャラ、可能性のあった展開を消化してくれるのはソシャゲというメディアならではだと思います。

 

例えば戦記絶唱シンフォギアというアニメの主人公 響は、かつてとある歌手のコンサートに行った際にノイズと呼ばれる化物が襲来。

結果として大勢の観客の中からただ1人生き残った(生き残ってしまった)ため、物語開始前の時点で逆恨み等から理不尽な嫌がらせ、いじめなどの壮絶な仕打ちを受け、耐え切れなかった父親は失踪、響自身の性格も病的なまでに人助けに固執する、作中キャラに歪んでいるとまで言わしめたものになってしまいます。

 

その傍らに寄り添うのがヒロインの未来。

実はコンサートに響を誘ったのは未来。

しかし交通渋滞によりコンサートには遅刻してしまい、結果として惨劇には巻き込まれずに済んだのですが、自分もそうなってしまった可能性がありながら、響を生き残ってしまった人にしてしまった罪悪感も相まって、仲が良いでは説明し切れないような距離感激近ヒロインとなりました。

 

結果として2人は重い…というかかなり重篤共依存のような関係になってしまっているのですが、じゃあ理不尽な仕打ちを受ける最悪の状況の響から未来が離れていってしまったらどうなる?というイベントが開催されたことがあります。

運営は人の心がないのか…?

 

結果から言うと響は未来がいないと死にます。

 

未来がいないために極度の人間不信になった響はアニメ本編の朗らかさが嘘のようにやさぐれてしまい、誰の協力も拒んだ結果、自身の身に宿る能力の暴走によって死を迎えます。(実際はそうなる前にパラレル未来さんとなんやかんやしてセーフ)

このイベントはかねてから 未来がいないと響大変なことになるんじゃね? と思っていたファンに 死ぬよ。 と大変どころではないとんでもない回答を公式がソシャゲイベントを使って叩きつけるというとてもじゃないがアニメではできない疑問をうまく説明したなと個人的には思っています。

 

そのほか原作終了後で新展開が望まない作品の回収しきれなかった伏線を回収したり、かつてチラッと出てきた用語の解説が今になってされたりと、ソシャゲでしかできないことはそれなりに多い。

FGOなんかはイベントやストーリーの更新があるたびに、そこで出てきた用語や新情報をもとに stay nightのコレはもしかしてこれでは!? とか アポのコレってアレに繋がるんじゃない!? みたいな感じで日夜考察班が盛り上がっています。

 

既存IPのソシャゲ化はやはり辛いですが、こんな感じでソシャゲならではの盛り上げ方をして、せめてアーカイブ配信とかその他グッズの再販とかもあわせて原作も盛り上げる!みたいな形にしてくれるとありがたいですね。

具体的は超稀少になってしまっているサントラのiTunes等各種電子サービスでの配信をね!